というわけでこのオーリーを1コマずつ検討していく。
まずスタンスです。後ろ足は前言ったように親指と人差し指で板のエッジを掴む親人作戦に基づいた位置。これは位置合わせをなるべく目視せずに行うことに加え、後輪から一番遠い場所を弾くことで弾く力を最大化しようという狙いがあります。これはまあこれでいいと思うのですが問題は前足です。正直ベストな位置がまだわかってない。
ハウツー動画では「ビスから指2本くらい開けたところ」と言ってるのが多い気がしますが、個人的にはそれでは前すぎると感じる。
というのも足があまりに前すぎると弾くのに力が要りすぎると思うからだ。
どういうことか説明するためにはてこの原理が必要になる。
オーリーで使うてこは力点、支点、作用点の順に並んだ第1種てこであることは誰の目にも明らかだと思うが、ではそれぞれどこのことを言っているのか?
普通に考えたら(←ここ結構重要)
力点:テール(の後ろ足が乗ってるとこ)
支点:後輪(正確には後ろトラックのシャフト)
作用点:ノーズ(の前足が乗ってるとこ、正確にはノーズではないが以下ノーズと書きます)
となるはずです。
それで考えると、ウィキペに載ってるこの画像とは位置関係が逆になりますね。
力点であるテールの方が支点に近いからです。
その場合どうなるかもウィキペ内にはちゃんと書いてあって
力点と作用点を入れ替えると要する力は大きくなるが、動きを大きく、あるいは速くすることができる。
となっています。要するに作用点である前足が遠ければ遠いほど弾くのに必要な力は大きくなるということです。
ハウツー動画を上げてる人は熟練者なので、意外とこの視点が抜けてる気がする。
まだ弾く力の弱い初心者がいきなり力の必要なやり方でやってもノーズを上げきれない可能性が高いのではないかということです。
まあそんなん力つけろやって話になるかもしれませんが、そもそも弾く力って何なんでしょうね?後ろ足を思いっきり踏んだらテール踏んづけてしまうし…足首を伸ばす力を鍛える?いやいや(笑)
ここで発想を逆転する。
つまり、前足が力点、後ろ足が作用点と考えたらどうだろう?
そうすると位置関係はこの図の通りとなります。
つまり、ノーズを前足で押してテールの後ろ足を持ち上げてるという構図になりますね。
そうするとウィキペの以下の説明がそのまま適用できる。
力点で加えた小さい下向き力は、三角形で支えられる支点を媒介して、作用点で大きな上向きの力となる。
ここで重要なのは「力点の力は小さい」ということです。つまり支点(後輪)から遠い位置にある前足は、後ろ足を持ち上げるための力が小さくて済んでしまうということだ。
しまう、と書いたのは何故かというとここの力は大きくしたいんですよ。
何故大きくしたいか?というところでタイトル回収。
これは個人的な考えですが、弾きの強さはもちろんテールヒットの強さ、テールの反発も大事だけど、それと同じくらいノーズの跳ね上がりも重要なのではないか。
要するに、このノーズ力点説で言えば弾くという動作は
「ノーズを前足で押してたけど押し負けて上に吹っ飛びました」
って状態なんですよ。で、ノーズを押す力が強い時と弱い時、どっちが吹っ飛び方がでかいかといったら当然強い時ですよね。だからこそ、前足が前だとそれが弱くなって「しまう」と書いたわけです。
だから単純に弾きを強くしたいならやはり前足は後ろにした方がいいんだと思う。
ただ、あまりに後ろだと今度は前足がノーズキックまで行かなくなってしまうので、そこは上手いこと調整していかなければいけない。
ここで疑問なのは「じゃあなんでハウツーの人はハウツー通りの指2本分の位置でちゃんと飛べてるの?」ということですが…知らないよ(笑)
多分ぼくが何か見落としてるんでしょうね…
というわけで自分のオーリーを1コマずつ見ていくという記事のはずが最初の1コマで終わってしまった。
次回はちゃんと最後まで見ていきます(やるやる詐欺)